特定社会保険労務士 村岡長治ブログ

甘えは禁物! 大手企業の目は外国人新卒者へ

今日は就職内定率下落について所感を述べてみます。

文部科学省と厚生労働省が今年10月1日現在の就職内定率を発表しましたが、それによると「就職氷河期」といわれた2003年を下回り、過去最低になったということです。
来年卒業予定大学生の就職内定率は57.6%で、前年同期比4.9ポイント減。男女別では男子が59.5%(3.8ポイント減)、女子が55.3%(同6.3ポイント減)でした。

これは調査を開始した1996年以降で最悪の就職戦線ということです。内定率が低いのは、急激な円高で景気の先行き懸念が強まり、企業が採用を抑制していることが主たる理由でしょう。
しかしこれほどの内定率下落は、果たして景気低迷だけが原因でしょうか。たしかにそれが最大要因でしょうが、その他に考えられることはないのでしょうか。

実は大手企業では、外国人の新卒者採用が増加しています。

たとえばパナソニックの場合。10年度新卒採用1250人のうち、海外で外国人を採用する「グローバル採用枠」は750人でした。11年はさらに外国人を増やし、新卒採用1390人のうちグローバル採用枠を1100人、残る290人も必ずしもすべて日本人を選ぶわけではないという。これは日本国内での新卒採用を290人とするということですが、日本人だけではなく外国からの留学生も積極的に採用するということです。

パナソニックだけではありません。楽天、ローソン、ファーストリテイリングなど外国人留学生を本腰を入れて採用し始めた企業もたいへん多い。

楽天の場合、11年度は国内新卒採用450~500人のうち、70人程度を外国人で増やす。採用人数の15%前後にあたります。さらに現地採用はインドと中国を併せて70~100人を予定しているということです。
ローソンは08年度から外国人留学生の新卒採用を始め、11年度は60人中20人が外国人となる予定だという。実に33%です。

なぜ外国人を雇いたがるのでしょう。
「海外の採用が増えて、日本人の定期採用数が減っているのは能力の問題」(シャープの町田勝彦会長)
など、日本の学生の就職内定率が落ちているのは単に不景気などによる就職氷河期という要因だけではなく、日本の学生の質の低下にある、という指摘もされています。


何年も中国人新卒者を雇っている経営者の話を読んだことがあります。
その方はことに中国人留学生を褒めていました。日本人学生は安定を望むが、草食系になってしまったのかいまひとつ「熱意」が感じられない。その点、中国人留学生は、「やってくれるのでは」という意欲がくみ取れる、と。

また中国人留学生は、母国語だけではなくほとんどの者が英語を話す。日本語も日本の大学で学んだのだからほぼ不安はないということです。日本人学生は英語もままならない者が多いというのです。
給料も中国で現地日本企業に採用されると3万数千円(換算)。日本で採用されると20万円になる、とたいへん意欲を燃やしてくれると語っていました。
これらの指摘を日本人学生はもっと深刻に受け止め、考えなければいけないのではないでしょうか。

それからもう1つ、私が感じる企業が雇用を渋っている理由です。

今はいったん雇用すると解雇することが難しい、という問題があります。
労働契約法には解雇に関して次のように定められています。
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」(第16条)
いわゆる「解雇権濫用の法理」といわれるものです。

「解雇が無効」ということで裁判を起こされ敗訴も続いています。しかし経営者は恐れる必要はないということです。どうしても解雇しなければならない理由があれば、それを明確にして解雇したらいいのです。訴訟を起こされても、こちらに理があれば受けて立てばいいだけです。「羹に懲りて膾を吹く」の愚を行っては、会社にとって決してよい結果になりません。

なにはともあれ、日本の学生はもっと能力を磨かなければいけません。外国人留学生のほうが会社の役に立つ、となると会社が彼らを雇おうとするのは当然でしょう。採用してもらいたいのなら“経営者が欲しがる”人材にならなければいけないのです。君たちの努力で、経営者に日本人学生の能力を改めて見直させようではありませんか。


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【postscript】
投稿が終わった後、今朝の毎日新聞を開いていると、埼玉労働局の調査として「来年3月に県内の大学を卒業する大学生の就職内定率が28.9%」にとどまり、「短大生は25.1%」との記事がありました。
男女別では男子大学生が27.8%(短大は18.3%)、女子大学生が30.2%(同25.4%)で男子のほうが苦戦しているという。
文科省・厚労省の全国調査と比べて俄かには信じがたい低い数字ですが、後日、詳しい原因などが明らかになりましたら、再度ご報告したいと思います。
2010.12.01
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