特定社会保険労務士 村岡長治ブログ

まだ多い残業の過少申告、「落とし穴」には要注意

連合総研が「第20回勤労者短観」(2010/10実施)の調査結果を発表しました。その中に残業に対する賃金不払いの状況とその理由が示されています。
今年9月1ヵ月間に、申告しなかった残業時間がある者の割合は43.9%、その中では実際の残業時間の51.1%を申告していない。実に半分以上です。

申告しなかった残業時間がある者の81.8%は、自主的に調整して過少申告したとしていますが、職場にそのままの時間を申告しづらい環境があるようです。
「働いた時間通り申告しづらい雰囲気だから」の41.1%をはじめ、「残業手当に限度があるから」「査定に影響するから」など様々な理由があげられています。

しかし興味深いのは、決められた労働時間を超えて働いた理由について、「突発的な仕事があるから、43.1%」、「人手が足りないから、39.8%」に次いで、「自分が納得するように仕事を仕上げたいから」が33.0%あるということです。
複数回答ですから3分の1とは言えませんが、かなりの人数が「自分の納得」を理由に挙げているのが分かります。

ところで、J-CAST(ジェイ・キャスト)のウエブサイトに掲載されていた事例を、次に転載させてもらいましたのでご覧ください。

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しかし、この調査結果をみる限り、「雰囲気」や「なんとなく」というあいまいな理由で、自ら労働時間を過少申告するケースも一定数あることがわかる。残業する人の3人に1人は、「自分の納得」を理由に上げている。

労働基準監督署の指導を受けた経験のある都内の中小企業経営者は、「ここに大きな落とし穴がある」と警告を発している。その会社では、スキルアップのために社員が自発的に職場に残って機械を操作することを容認していたという。

「ところがある社員が、先輩とケンカして会社を飛び出していった後、その『勝手残業』の残業代が払われていないと労基署に通報したんですわ。こっちは勝手にやったことと抗議したんですが、会社にいた時間のメモがあるということで支払わざるを得ませんでした。熱心な社員と信じていたんで裏切られた気持ちですが、他の経営者の方には十分気をつけて欲しいと思いますね」
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これが事実だとするなら、確実に防がなければバカを見ることになります。たとえば、残業は「書面による本人からの申告を承認」「あるいは会社の残業命令」として、それ以外は残業を認めないなどの方法をとる。この場合、残業時間が終わったあと会社に残っていても、それが残業と認められることはないと思われます。

ただし、スキルアップのための機械操作を許可した場合、もし事故を起こしたら「業務起因性なし」ということで、おそらく労災は適用されないでしょう。
事業主は専門家とよく相談して、用心深く実行するのが賢明ではないでしょうか。

2010.12.17
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