特定社会保険労務士 村岡長治ブログ

「英語が話せるから国際人」とは大いなる勘違い

これは私の個人ブログに書いた内容です。仕事のホームページのブログにはどうかと思ったのですが、いつも気になっている問題ですので、投稿させていただきました。

今、私の家は夫婦2人暮しですので、小学校の動向など、どうしても疎くなってしまいます。先日テレビを見ていたら、この4月から小学校5年生・6年生で週1回、年間35回の英語の授業が必修になったというのです。

いよいよ決まったのか、それが実感です。子供の英語教育はますますエスカレートして、最近はすでに私立小学校だけではなく、幼稚園から英語教育を取り入れているところがあるそうです。親たちが競って子供を入園させている、と聞いたことがあります。

「英語教育は小学校から必要か」―― これは昔から延々と論じられてきた命題で、もちろん回答を出せることではないと思います。英語教育は小学校から必要、という親の言い分は、およそ次のようなところです。

①「世界共通語は英語だ。だから世界に通用するためにも英語を自在に話せる子供にさせたい」
②「国際人として生きていくには英語に堪能でなければ適わない。だからできるだけ小さいときから学ばせたい」
③「将来、商社に入れて世界で仕事をさせたい」

ほかにもいろいろな意見があるでしょうが、私が耳にした意見を要約すると、およそこの3点ぐらいでしょうか。

まず①について。
「世界共通語は英語だ」という意見。母国語としていちばん多用されているのが何語かは知りません。しかし公用語として最大多数に使われているのが英語であることは間違いないようです。
ですから「英語を自在に話せる子供」に育てるために英語を学ばせる、ということは好き好きですから、「ご自由に」というところでしょう。子供にピアノを習わせる、そろばん塾に通わせる、というのと同じ感覚でしょうか。(しかしこれも親の好みで、子供の意思とは思えません)

ただ「世界に通用する」というのが、英語圏の人に自分の話した言葉が通じる、というだけのことなら納得できますが、決して人間的に「通用する」のではないということです。

②について
まず「国際人」の定義。これを端的、明確に表現することは大変難しいと思います。むしろ1つ1つを挙げて、これは国際人ではない、これも国際人とはいえない、と消去していくほうがやりやすいでしょう。

しかし「聖徳学園の人間教育プログラム」と題したサイトに、こんな一文が掲載されていました。この文章に国際人がやや定義されている、と私は思いましたのでここに引用させていただきます。
   ――――――――――――――――――――――――――
(前略)単に語学が堪能なだけでは真の国際人とは言えません。各国にはおのおの特色ある文化や伝統があるという認識をもち、日本人として、日本の文化や伝統を深く理解し、伝えることができてはじめて、国際人としての条件を満たせるのです。(後略) (「聖徳学園の人間教育プログラム」から引用)
   ――――――――――――――――――――――――――

「英語が堪能」なら「国際人」だ、という誤った認識を持っている人がまだまだいらっしゃるようですが、この錯覚から早く脱却したいものです。少なくとも、確固としたアイデンティティーのない、外国語だけが堪能な人は、国際人でも何でもありません。国際社会に出ても軽視されるのがオチのようです。

たとえば通訳の志緒野マリさん(英語・スペイン語の同時通訳者)は、外国人相手に日本で通訳ガイドをしたときのことを、こう述べています。
「正月の説明をする時(でも)、ただ『日本では、これをします。あれをします』という事実を羅列するだけの説明だと、お客はあまり反応しない。そこに『なぜ、こうするのか』という民俗学的な解釈を加えると、お客の目が好奇心でめらめらと燃え始める」(これであなたも英語の達人 祥伝社)

まさしく「聖徳学園の人間教育プログラム」にある「日本人として、日本の文化や伝統を深く理解し、伝えることができてはじめて、国際人としての条件を満たせるのです」の一文が納得して胸に収まるではありませんか。

ですから、国際人として成長させたいという親心なら、小学生のうちに、まず国語教育にしっかり取り組ませることこそ肝要でしょう。私たちは普通母国語で考えます。母国語で教育を受け、母国の価値観を受け入れ、母国の文化・伝統を身に着けていくのです。

そこからおおのずと愛国心も芽生えてくるでしょう。日本では愛国心というと、軍国主義の復活などと途方もないことを言う者がいますが、愛国心を持たない者は世界に出ても相手にされませんし、絶対に国際人たりえないのです。


③について
将来、商社に入って世界で仕事をするといっても、英語に関しては、中学から始まる勉強をまじめにやれば問題ありません。皆さんそうしていらっしゃるのです。
商社勤めの人が全員、英語がぺらぺらかというと必ずしもそうではありません。担当する業務の商品名を覚えたり、価格の交渉などは、英語があんまりできない人でも「慣れ」ですぐにもできるようになるようです。必要があるときは、会社によっては入社のあと「TOEICで○○点以上を取るように」と指示されるといいます。

結論から言いますと、本気で子供に国際人を目指させるなら、まず「国際人とはどういうことか」を親がしっかり理解することでしょう。英語が達者だ、ということと国際人たりうることは関係がないと理解すべきです。英語圏の人たちは全員国際人なのでしょうか。
日本語の教育をしっかり受け、日本の歴史、伝統、文化の価値観を身につけ、自分の出自(しゅつじ)を理解させることこそ大事、だと私は思います。

今や日本語で話すと、英語で言葉が出てくる「翻訳機」までできています。ただ英語を話せるだけでは、国際人どころか、単なる「人間翻訳機」ではありませんか。

ブログでこういう問題を論じるのは、大変難しいと思います。いい足りない点もあり、誤解を招く表現もあったかも分かりませんが、意図するところを汲み取っていただきたいと思います。

そういえば小渕恵三総理の時代でしたか、「英語を第2外国語にしよう」という話が出来(しゅったい)したのを憶えていらっしゃいますか。そのとき私は思いました。
「英語を第2公用語とするのは結構だと思う。しかし第1公用語は何だ、もちろん日本語でしょう。しかし憲法にもどこにも、日本語を第1公用語とするとは書かれていない。まず第1公用語を明確にせず、第2を決めるのはおかしくはないか」
皆さんはどう思われますか。

小泉純一郎総理のときには、自分の任期中に女性・女系天皇を認める皇室典範改正を進めようとしましたが、それも頓挫しました。しかし改正に関与しようとしていた「皇室典範に関する有識者会議」のメンバーを拝見しても、皇室の弥栄(いやさか)を祈るなら、やめてよかったと思っています。実はこれは大変重要な問題でした。
時の総理が思い付きで言い出して、そのまま放置されることって結構あるんですね。

こんなブログにお付き合いくださり、感謝いたします
2011.01.25
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