特定社会保険労務士 村岡長治ブログ

法律を知らなければ損、代襲相続をご存知ですか?

先般、「お役立ち!トピックス」に「遺言書」と「法定相続分と遺留分、代襲相続」について書きました。今回、相続に関して法律を知らなければいかに損をするか、2例ほど挙げてみました。
これ以外にも、当然いろいろなケースが考えられます。必要に応じて専門家にご相談ください。

1.甥に相続させない場合は遺言書を

私の友人(男性)の例で説明します。
友人の親が亡くなったときに、姉と2人で遺産を相続しました。やがて姉が亡くなり、その子供(男=友人の甥)が姉の遺産を相続しました。

親戚の集まりがあったとき、友人がその甥に聞いたそうです。
「俺に何かあったら遺産ほしい?」
「ほしい」

酒の席で、友人が私にそんな話をしたので尋ねました。
「甥には遺産をやろうと思っているの」
「やるつもりはないよ」

当然だと思います。親の遺産を姉弟で相続して、姉が亡くなったとき遺産はそのまま甥に相続され、弟である友人はもちろん1銭も受け取っていないわけですから。

友人には子供がいません。
「それなら奥さんに全財産を相続させる、という遺言書を作ったらいい。遺言書を残さなければ、全財産の4分の1は法定相続分として甥のものになるよ。姉さんが亡くなっていても、その子供に代襲相続が認められるからね。
しかし、遺言書で奥さんにすべての遺産を相続させると明確にしたら、甥に遺産がいくことはない。兄弟姉妹には遺留分がないから、当然代襲相続もできない


友人は納得したようですが、なかなか実行しませんでした。
先般、私が遺言書を作ったことを伝えると、やっと重い腰をあげそうです。

甥にとって友人の奥さんは傍系姻族にすぎません。友人が死亡したあとを考えると、法律に訴えてもおそらく遺産相続の権利を主張するでしょう。以後、たとえ親戚づきあいをしなくなったとしても、数千万円(あるいは億?)が自分のものになるとしたら…。

こういう場合こそ、早く遺言書を作成しておくべきだと私は思います。

2.死亡順で遺産の相続方法が変わる

次はこんな問題を取り上げてみました。出典は「新訂版 民法の解説・親族法」(一橋出版)です。

たとえば父と子が乗っていた飛行機が墜落して、2人とも死亡した場合。父の財産は、誰がどのような割合で相続するでしょうか。
家族構成は、父と子のほかに、母(父の妻)と祖父(父のお父さん)がいます。子の財産はゼロとします。

まず先に父が死亡し、そのあとで子が死亡したことが明らかな場合を考えてみます。
父が死亡した時点では、子は生きていたのですから、父の相続人は配偶者である母と子で、相続分は母も子も2分の1ずつです。

しかしその後、子も死亡しました。相続人は直系尊属の母だけですので、父の死による子の相続分(2分の1)は母が相続し、結局、母が父の全財産を相続することになります。

次に子が先に死亡したとすれば、どうなるでしょうか。
子の相続人は直系尊属のなかでも親等の近い父母ですが、子には財産がないので、相続は問題になりません。
子の死亡後に死亡した父の相続人は配偶者である母と直系尊属である祖父で、その相続分は母が3分の2、祖父が3分の1です。

このように、父と子のどちらが先に死亡したかにより父の相続人とその相続分が異なるため、両者の死亡した時点を明らかにして、相続人と相続分を確定する必要があります。

しかしながら最新の医学をもってしても、同一の飛行機事故で死亡した2人の親族の、死亡の前後を確定することが不可能な場合があります。こうした場合には相続人と相続分が確定しないために、親族間で遺産をめぐる紛争が起きるおそれがあります。

そこで、民法にはこうした場合に備えて、「同時死亡の推定」に関する規定(32条の2)がおかれています。
それによると、数人が死亡し、その中の1人が他の者が死亡した後も生存していたことが明らかでないときは、これらの者は同時に死亡したものと推定される、ということになります。
同時に死亡したと推定されると、一方が死亡した時点において、他方は生存していなかったことになるので、互いの間に相続は起きないことになります。

したがって、父と子が同時に死亡したものと推定される場合には、父の相続に関しては子がいなかったものとして扱われ、結局、母と祖父が相続人となり、母が3分の2、祖父が3分の1を相続することになります。

なお、同時死亡の推定が働く場合にも、代襲相続が認められるので、死亡した子に子がいた場合、つまり被相続人である父から見れば孫がいた場合には、孫が代襲相続人になるので、直系尊属である祖父は相続できません。

法律を知っていないと損することがある、とつくづく考えさせられました。
2010.10.08
お役立ち!トピックス
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