遺言書は「公正証書遺言」がお勧めです

私は行政書士もやっていますので、依頼を受けて遺産相続の手続きを行うことがあります。この「お役立ち! トピックス」も社会保険労務士業務だけではなく、たまには人生で避けて通れない遺言・相続などにも触れたほうがいいのではないかと思い、今回はまず遺言書について掲載してみました。

今月15日に公証役場で自分の遺言書を作成したばかりなので、ことにその思いが強いのかもわかりません。(そのときの様子は、このHPのブログ欄に掲載してあります)
これは昨年、私が行政書士会支部の実務研究会で発表したときのレジュメから引用したものです。

1.「遺言書と遺書」の違い

遺言書には精神的なものと実務的なものがあります。「私の死後、お母さんを大切に」「兄弟なかよく」など精神的なものは、書面で残しても一般に「遺書」と言われ、形式も自由です。日記やメモに遺産配分を書き残しても、法律に従った様式で作成されていなければ、それは遺書であって遺言書ではありません。
遺言書は、法律に定められた様式にしたがって作成しなければ、効力が生じません。これは“公的文書”としての性格があり、財産や身分上の相続手続きの根拠書類になります。

2.遺言書の種類

(1) 自筆証書遺言
遺言者が全文、日付及び氏名を自書し、これに印(実印でなくてもいい)を押して作成します。自筆で記述すればいいので、何回でも書き直すことができます。代筆やワープロ打ちは不可です。
遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なくこれを家庭裁判所に提出して検認を請求する必要があります。裁判所に提出する前に開封してはいけません。

(2) 公正証書遺言
これは次の方式に従って作成されます。
① 証人2人以上の立会いがあること
② 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること
③ 公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせること
④ 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名して印を押す
⑤ 公証人がその証書は①②③④に掲げる方式に従って作ったことを附記し、これに署名して印を押す

証人2人以上の立会いが必要ですが、次の人は証人になれません。
① 未成年者
② 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
③ 公証人の配偶者、4親等内の親族、書記及び使用人
証書の原本は公証役場に保管され、遺言者には正本・謄本が交付されます。遺言書の検認は不要。公証役場を訪問して作成するほか、公証人に出向いてもらうことも可能です。

(3) 秘密証書遺言
遺言内容を秘密にしつつ、公証人の関与を経る方式。証人2名と手数料の用意が必要であるほか、証人の欠格事項も公正証書遺言と同様です。代筆やワープロ打ちも可能ですが、遺言者の署名と押印は必要で、その押印と同じ印章で証書を封印をします。
代筆の場合、証人欠格者以外が代筆する必要があります。遺言者の氏名と住所を申述したのち、公証人が証書提出日及び遺言者の申述内容を封紙に記載し、遺言者及び証人と共に署名押印します。
遺言書の入った封筒は遺言者に返却されます。自筆証書遺言に比べ、偽造・変造のおそれがないという点は長所ですが、紛失したり発見されないおそれがあります。
遺言書の保管者は、相続の開始を知った後は遅滞なくこれを家庭裁判所に提出して、検認を請求しなければなりません。

これ以外にも特別な場合の遺言方式として、一般臨終遺言、船舶遭難者遺言、伝染病隔離者遺言、在船者遺言がありますが、ここでは説明を省略します。

3.安全確実な「公正証書遺言」

公正証書遺言の良いところは、他の方式に比べて安全性、確実性が高いことです。
① 法律のプロである公証人が作成するので、様式不備で無効になるおそれがありません。
② 公証人と証人2人が遺言書作成に立ち会うため、証拠能力が高い。後で遺族が「これは父の字じゃない」とか「無理やり書かされたものだ」などと争いになる可能性が低いといえます。
③ 遺言書の原本が公証役場に保管されるので、紛失、変造、隠匿のおそれがありません。
④ 公正証書遺言だけが家庭裁判所の検認を受ける必要がないので、相続が発生したらすぐに遺言の内容を実行できます。

せっかく後に残る家族のことを考えて遺言書を作っても、遺言書そのものが無効になったり、トラブルの種になっては意味がありません。公正証書遺言の作成には多少の手間と費用がかかりますが、それに見合うメリットがあるということです。

何がよいか尋ねられたら、私なら迷うことなく公正証書遺言をお勧めします。私もその方式で作成しました。

2010.09.18
お役立ち!トピックス
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